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Chapter7/オーバルタイプ


精妙な柄や色味への再認識。
角度による色調変化の可視化。
天然木がもつ魅力の再評価。

大型チップから小さなチップへ

同じ木材でも角度を変えると表情が違って見える

ウォルナットのオーバルタイプ

 大型の楕円形から小さな楕円したことで、小さな家具パーツでも使用しやすい利点が生まれました。また小さくカットすることで1枚板では気付きにくい木がもつ複雑な細部の色味・柄にも認識しやすくなります。
 ランダムに配置された突板チップは木目方向が不規則な為、同じ突板から製作したチップでも色味が違うように見えます。これは木の性質である導管に光が当たり屈折して見える現象です。概ね導管が垂直方向に並んでいるわけではないので、突板に限らずどんな木材でも見る方向から大なり小なり印象が変わります。
 特に「杉」「桧」は光沢感もつよく、見る方向を変えるとひとつひとつのチップがそれぞれのタイミングでキラキラとひかり色味を変えていく様は、絵が変わるホログラムシール(レンチキュラー印刷)のようなユニークさがあります。

 「天然素材を使用したくてもリードタイムや意匠のコントロールなど『木質調素材』の方が把握しやすく短い期間で決定しなければならない状態では天然素材を選べない。価格の面でもエンドユーザーに天然素材を受け入れてもらうためになにか決定的な違いを教えてほしい」といわれることが度々あり、長らくこの答えを見いだせずにいましたがこの導管方向による色味の違いを可視化することで一つ前進したようにも思えます。また、現状 木材を知っていただいている方にも再び興味を持っていただけるきっかけや、これから天然の木を知ってもらうための木育としての側面も可能性を感じています。

 余談ではありますがこのオーバルタイプ、「杉」のみ柾目だけで構成しています。
他の樹種では柾目も板目も混在させて違和感がないのですが、ストライプの印象が強い杉だからなのか、板目を混在させてしまうとバランスが取れずそのチップだけ浮いてしまう。これもまた天然素材を扱っている面白さの一つだと思います。