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Chapter6/試行②


様々な案件に対応しやすい抽象的な装飾。
より多く端材を使用するための歩留まりの良いかたち。
木材加工で難しい楕円形状で新たな空間体験。

ホワイトオークVer.

左から杉・桧・ホワイトオーク・ウォルナット

チップそれぞれの色味の違いがある。

 バラボードで使用している樹種はホワイトオーク・ウォルナット・スギ・ヒノキの4種類になります。
2年に一度開催される突板の全国展示会では1番目に出品数が多いホワイトオークで2番目はウォルナットとなることが通例です。余談になりますがウォルナットに比べホワイトオークの出品総平米数は倍になります。上記、2種類は北米産になりこれに対し利用促進拡大を求められている国産固有種である杉・桧を選択しました。

 どうすればより面白く新しく木目を表現できるのか、前項でもあったように汎用性があることが前提、且つ木(突板)であることが重要になります。突板は木目の美しさ、木肌の美しさ、色味などの木目が生かせているかが肝心であるから新しい製品にもその名残が感じられるように木目・色味・木肌が感じとりやすい面積でありたいと考えました。
 端材の幅の多くが100mm以下からが多いということもあってチップの大きさは80mm前後に設定。チップ形状を端材からより多く取りだす為にひとつの形状だけではなく歩留まりの良いかたちにして単調にならないようにも工夫しています。
 楕円を選んだのは木材加工で難しい形状が球体(円)であり、丸太から円を作成した場合、削りだす端材が多く発生してしまいますが突板ではそれが最少に抑えられる。木材であまり見ない形からユーザーがより新しい感覚・体験を感じられるのではないかと考えました。
 チップが寄り添い集合している様子は石材のような結晶感をもち、木目や色味が持つどこか流動的で力強い印象は木材が生物であったことを裏付けているかのようです。

 4樹種を同じ形状に切り取ることで、より色味の違いや木目の違いが引き立ち同じ木でも違いがある面白みを感じてもらえるのではないかと思います。
 不安としていたチップの割れや浮きはなく思っていたよりも迫力があり成功の近さを感じていましたが、小面積の家具パーツなどでは使用しづらいことから形状は楕円形のまま小さなパーツに変更しました。