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Chapter3/コンテクスト


家具・内装端材から再び家具・内装材へ。
突板の特性である薄さ・色味・木目を活かした素材。
伝統的な木象嵌からのインスピレーション。

Medal cabinet George Bullock @The Met

Card table Nicolaus Bauer @The Met

基盤に合わせて突板をカットする

 端材を使った新たな突板製品を考える上で、別の形式に変えるのではなく「家具・内装に使用される為に生まれた端材なのだから、再び家具・内装に使用できるようにすることの方が良い。」という考えが当初からあり化粧板に利活用しようという思いがありました。
 
 実際、様々なサイズの端材を商業的な木材製品としてどう活用できるのか、この製品を様々な人に喜んで使用していただけるものとはなにか。突板の特徴や特色を生かし「突板の端材だからこそできる事。」を考えていました。
 薄くハサミなどでカットすることが容易であることから同じ植物素材の紙で出来た「ちぎり絵」「コラージュ」というヒントを得ます。
 そもそも木工には象嵌(ゾウガン)という手法があり、基板となる木に別の木をはめ込み模様や絵を描く伝統的な手法でヨーロッパのアンティーク家具や楽器にリーフや蔦の模様を描いたものがよく見られます。もちろん木象嵌が一朝一夕で取得できるものではない職人技であることを理解していましたので、埋め込むのではなく様々な形状に切り抜いた突板を重ね合わせる「コラージュ」に可能性を見出しました。

 近年では下地材として使われてきたパーティクルボードも装飾として受け入れられている状況があり「ランダムに木片を重ねる」「廃材・残材からのリサイクル」という点は、「カットした突板を重ねる」「端材を再利用する」に通ずることもあり、製品としてのポジショニングを突板化粧合板と木象嵌とパーティクルボードから連想しました。